あまり学べない「○○と学ぶ。」

寝る前の片づけのBGMにとテレビをつけたら「カズレーザーと学ぶ。」という番組で、食材の捨てられる部分の「もったいないランキング」第1位としてスダチの皮が紹介されていました。内臓脂肪や皮下脂肪が溜まるのを抑制する効果があるとのこと。

私の実家ではミカン農家だった父の実家から無農薬の温州ミカンを送ってもらっていて、その皮を刻んで南蛮漬けに混ぜて食べていました。また夏ミカンなど皮が厚いものはザボン漬けにして食べていました。
自宅ではスダチを庭に植え、皮が黄色くなってから収穫して汁を搾っています。子供の頃から柑橘類の皮は「食べもの」と思ってきたので、汁は冷凍にして1年間分のスダチ酢を確保、皮は白い部分を包丁でこそいで、黄色い皮の部分を刻んで冷凍にします。生野菜が少ないときに解凍して、サラダのかさ上げに使っています。
番組では「1日7個分の皮を摂取するのが理想」として、生スダチの皮を薬味おろしで削って1~2個分を摂取、残りはサプリでと提案していました。生スダチが1年間出回っているスーパーは少ないですし、旬以外の時はとても高価になると思います。

またネオニコチノイド系などの浸透性殺虫剤は洗っても落ちません。そうでない殺虫剤(有機リン系など)は皮に残っています。皮を利用するなら無農薬が望ましいはずなのですが、農薬については一切コメントしていませんでした。
無農薬スダチを黄色くなってから収穫すれば皮の苦みはかなり減りますし、刻んで7個分くらい楽に摂取できます。
そのような観点からは、カズレーサーのまとめのコメントも的外れでした。たとえばミカンの皮は昔から乾燥したものを粉末にして、七味など香りづけに使われてきました。昔からの利用法も、野菜や果物が現在どのように生産されているかも知らない方がディレクターだと、こういった内容になってしまうのでしょう。

(追伸)
番組で紹介されていた「スダチチン投与による肝臓への脂肪蓄積阻止効果」の写真は、下記の徳島大学プレスレリース記事「スダチ特有のポリフェノール『スダチチン』が体内時計のリズムを調整」で掲載されている写真(図6A)と同じでした。番組で紹介された最新の研究とは、これのことだと思います。

https://www.tokushima-u.ac.jp/fs/4/1/8/2/9/0/_/20230324_.pdf

この記事では「ヒトへの応用を考えると、まだ多くの課題があります。」と記されています。「1日にスダチ皮7個分を摂取するのが望ましい」と番組で広島大学研究員が発言していましたが、ミスリードだと思います。科学的に誠実であれば、マスコミでスダチチンの効果を説明する場合、下記のようになるはずです。