イオンモール熊本が崩壊!うちのイオンモールは大丈夫?

本日、熊本県で発生した地震により、イオンモール熊本(熊本県嘉島町)が大きく破損しました。 

報道によれば、2階部分が爆発を伴って崩落し、建物内に多くの人が閉じ込められているとのことです。爆発が直接の引き金だった可能性が高い一方で、現地の映像を見る限り、1階部分も広範囲にわたって壁が失われているように見えます。爆発の影響なのか、それとも揺れによって外壁が脱落した部分もあるのか、現時点では判然としません。

イオンモールはどこも構造がよく似ています(少なくとも「イオンモールつくば」は外観がそっくりです)。もし後者、つまり揺れそのものによって壁が広範囲に失われたのだとすれば、一体どれほどの揺れを想定していたのか気になり、調べてみました。

日本の新耐震基準(1981年以降)では、大型の鉄骨造建築は、震度6強〜7クラスの大規模な地震であっても「建物全体が押し潰されるような倒壊を防ぎ、中にいる人の生命を守る」ことを前提に設計されているとされています。特に鉄骨造の大型建築は、強い揺れを受けると骨組みがしなやかに変形し、揺れを逃がす仕組みになっています。しかしその変形に、外壁パネル(ALC板等)やガラスといった非構造部材が追従しきれず、脱落して外へ崩れ落ちてしまうことがあります。つまり新耐震基準は「建物が丸ごと倒れて中の人が押し潰される」という最悪の事態は防げても、「外壁だけが剥がれ落ちる」ことまでは想定していないわけです。

外壁が脱落して敷地内や歩道に落下すれば、建物から避難しようとした人や、たまたま通りかかった歩行者を巻き込む危険が生じます。「建物の中にいる人を守る」ことには成功しても、「建物の外に逃げた人や、外を歩いていた人を守る」という点では課題が残されていると思いました。

今回の地震で歩行者が崩落した壁に巻き込まれて負傷したかどうかは、本記事執筆時点では確認できていません。建物内で安否が分かっていない方もいるとの情報があり、救助活動が続いている段階です。今後の続報を注視したいと思います。

イオンモール熊本で今回何が起きたのか。今後の詳しい調査を待つ必要がありますが、単に「建物が倒壊したか」という従来型の耐震性評価にとどまらず、爆発を防ぐための地震後のガス自動遮断システムの安全性確保、外壁パネルの接合構造のあり方(脱落しにくい工法への見直し)、避難動線上の頭上防護対策(庇や歩道上の落下物対策)といった、大型施設における「二次被害と非構造部材」のリスク管理について、真剣に検証してほしいと思います。似た構造のモールを全国に展開しているイオンだけでなく、同様の大型鉄骨造施設を持つ他の商業施設運営者にも、他人事とせず取り組んでもらいたい課題だと感じます。